「社長、この子、いったいどこの畑で掘り起こしてきたんすかぁ!」
それぞれの席で談笑していた人たちが一斉にこちらを見る。呆気にとられていると、私を押しのけるようにして金髪女子が身を乗り出した。
「コラァ名取! 誰がイモだバカヤロー!」
「なんだよ板倉、誰もイモだなんて言ってないだろ!」
「掘り起こしたって言ったじゃんか! 営業のくせにデリカシーどこに置いてきた! いますぐ探してこい!」
私を挟んで行われる会話の応酬に、いっとき思考が停止する。それから急にすべてを理解した。
イモ……!!?
失礼だけど的確な言葉に自分で妙に納得してしまった。
イモか、なるほど。

