黒い画面越しに新庄さんと目が合い、気まずさから目を伏せる。眼科でもらった使い捨てのトライアルレンズは、バッグに入れっぱなしだ。
「髪を切ってせっかく可愛くなったのに」
「……すみません」
たしかに、一昨日髪を切ってもらって、私の雰囲気は一気に明るくなったと思う。
都心の一等地にあるヘアサロンは、自宅近くの母と同じ年代のおばちゃんがやっている美容院とはなにもかもが違った。
美容師ではなく『ヘアスタイリスト』と呼ぶらしい彼らは総じてスタイリッシュだったし、お店の造りもコンクリートがむき出しのスタジオを思わせるようなかっこいい空間だった。
ただのキノコ頭だった髪型が艶ややかで女性っぽいスタイルに変わったときは、鏡越しに目を見張ってしまったくらいだ。

