そう言う彼女は肌が白く、金髪や真っ赤な口紅がとてもよく似合っていてセンスの塊みたいな人だ。そんな人が目に入らないくらい、午前中の私は余裕がなかったらしい。
「いえ、私、お弁当だったので……」
「敬語いらないよ、年変わんないし。あたし板倉海里(いたくらかいり)。システム部でWebデザイン担当してる」
私が頭を下げると、彼女はとなりの男性を見上げた。
「こっちはモリモリ。めっちゃエンジニア。システム部のリーダーだよ」
「モリモリ言うな。森祐一(もりゆういち)です。よろしく、前原さん」
エンジニアが世間一般にもたれるイメージの通り、彼はメガネをかけている。けれど、私の黒ぶちメガネとは違ってフレームがおしゃれだし服装も垢抜けていて、やっぱりアパレル系の人間という感じがした。

