「最近ようやく自分でも気付いたようだが、お前だっていい武器を持ってる。あろうことか、それを必死に隠そうとしてるけどな」
「仰ってる意味が、よく……」
首をかしげると、社長はため息をついた。
「……だから、お前はかわいいって言ってんだよ」
「えっ」
「自分の外見の破壊力に気づいてないとことか、悪口まで素直に飲みこむとことか、厳しい環境でも精いっぱい頑張ってるとことか、全部ひっくるめてお前の魅力だろ」
真剣な目で見つめられ、胸が痺れていく。じんと響く言葉に、体が震えそうになる。
「自分を着飾って私生活や本音を隠す女たちとは正反対で、お前はリアルなんだよ」
「リアル?」
「だから、お前と結婚したらこういう生活を送るんだろうなって、想像がしやすいというか」
突然飛び出したキーワードに、どきりとした。
「け、けっこん……」

