伸びてきた手に、ぎゅっと頬をつままれた。突然の痛みにぽかんとしていると、社長は呆れたように眉を上げる。
「お前は……自己評価が低いんだか、高いんだか」
くすりと笑う彼に、胸が高鳴った。
彼の無邪気な微笑みは、めったにお目にかかれない貴重な表情だ。
「言っておくが、顔やらスタイルやら、外見がいい女なんて見慣れてるんだよ。放っておいても向こうから寄ってくる」
「……さようですか」
唐突な俺様発言にしらけた気持ちになっていると、社長は「ちゃんと聞け」と私の頬をさらに強くつまんだ。
「そういう奴らはみんな、これでもかってくらい『女』を主張してるんだ。まあ当然だよな。それが彼女たちの武器なんだから」
そう言って、彼は私の頬から指を離した。代わりに大きな両手で包むように顔に触れる。

