「まあいいさ。そこがお前の魅力でもある」
「え……?」
ふいに解放され、今度は真正面から見つめ合った。机に腰かけた彼の目線の高さは、私と変わらない。
私の頬をそろりと撫でて、社長は困ったように微笑んだ。
「隠された方が、燃えるしな」
「……私の魅力って、なんですか」
思わず本音がこぼれた。
とろけるように甘い時間をくれる社長の気持ちを疑うわけじゃないけれど、どうしても腑に落ちないのだ。
「やっぱり……コレ、ですかね」
『この体。私が男だったら今すぐ襲いかかるわ』
新庄さんに言われた言葉を思い出しながら、肩こりを誘発するばかりの大きな胸に目を落とす。
私にとっては邪魔でしかないと思っていたものも、見る人によっては大きな価値があるらしい。

