社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~


 長いキスが終わったと思ったら、今度は後ろ髪をかき上げられ、うなじに唇を付けられた。

「ひゃっ」

 くすぐったさに体をよじると、肩を掴まれて逃げられないように固定された。ちゅうっと音を立てて吸いつかれ、うなじにかすかな痛みが走る。

「社長……?」

 振り向こうとしたら頭を押さえられた。

「涙目でこっちを見るな。抑えがきかなくなる」

 微かに息を切らしながら言うと、社長は私の耳を舌でなぞりはじめた。ぞくぞくと体の内側に電流が走って、首をすくめる。

 こんなの、私の方が耐えられないよ!

「社長、もうダメです……」

 涙声で訴えると、首筋に熱い吐息がかかる。

「先に進む気になったか?」

「それはまだ」

「……」

 はあっと深いため息が聞こえた。