「どどどど同棲っ⁉」
「えええ! どういう意味ですか社長!」
目を輝かせる金髪女子に、社長は小さく息をついて私の肩を抱き寄せた。大きな手の感触に胸が高鳴る。社内でこんなふうに触られるとは思っていなかったから、妙に体がこわばった。
ちらりと見上げると、社長はいつも通りのクールな表情だ。
「そのままの意味だ。前原とは、結婚を前提に付き合ってる」
「はああああい?」
名取さんが目を剥いた。眼球が落ちるんじゃないかと心配なるほど瞼を開いて、声を震わせる。
「な、なん、なんで、社長と前原ちゃんが」
「えーじゃあ社長は、新庄さんとは結局ヨリを戻さなかったってことですか」

