スタイリッシュな外見をしているから、勝手に繊細で穏やかな人なのだとばかり思っていた。
衝撃を受けている私を見て、新庄さんがくすりと笑う。
「びっくりした? 優志……社長は普段は優しいんだけど、仕事のことになるとめちゃくちゃ厳しいから、結愛ちゃんも気をつけてね」
「は……はい」
「前原さん、ちょっと」
ついさっき社員を怒鳴りつけていた声に呼ばれ、どきりとする。社長室から手招きしている彼を見て、新庄さんが困ったようにため息をついた。
「いってらっしゃい」
小さく笑って、彼女は私の背中をぽんと叩いた。

