それを不自然なまでの笑顔で見送ってから、社長は勢いよく振り返った。 いきなり鋭い目に見下ろされて、ぎくりとする。今の今まで浮かべていた笑顔はどこに消えたの?と思っていたら、低い声が放たれた。 「帰るぞ!」 「は、はい」 怒ったような口調に肩を縮める間もなく手を掴まれる。指が絡み、ぐいっと引っ張られた。 「へ、あの」 いきなりつながれた手の感触に心臓が大きく跳ねる。 戸惑っている私をひきずるようにして、社長は何も言わずいつもの調子でずんずんと通り歩き出した。