社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~


 三脚の脇では名取さんがカメラとスマホの両方をチェックしている。まるで映画でも視聴しているみたいな楽し気な表情の営業マンから、私はギャラリーの端に目を移した。

 フロア全体を俯瞰できる場所から鋭い視線を注いでいる社長は、真剣そのものだ。

 線が細く繊細そうな見た目とは裏腹に、すぐ怒鳴るし仕事に対してはめちゃくちゃ厳しい。だけど、本当は優しくて、相手の本質をしっかり見抜いたうえでその人となりを判断してくれる。

 そこに立っているだけで後光が差しているような彼に、胸がきゅっと締まる。

 最初は単純に、社長の見た目が好みなだけだった。

 でも今は――。

「着た感じが見たい? うーん、これサイズいくつかな」