朝に弱い社長のことだからすぐには起きてこないだろうと思っていたけれど、アラームらしき音楽がスヌーズ機能を幾度となく発揮しても社長は姿を現さなかった。隣の部屋で完璧に身支度を済ませ、時計を見ると八時半を過ぎている。
「さすがに起きないとまずいのでは……」
ガラス扉の前でしばらく逡巡してから、心を決めて扉をノックしドアレバーに手をかける。
「失礼、します……」
携帯アラームの音が一段と大きくなった。
「社長、あの、そろそろ起きないと」
ガラス仕切りのブラインドを上げてから振り返って、私は固まった。メガネが曇ったんじゃないかと思うくらい、顔が熱くなる。
目に入ったのは、裸身だ。
ベッドの上で寝乱れている、均整の取れた体。

