「名取あんた、前原ちゃんに掃除させたり料理させたりしようと目論んで」
「ねーよ! 俺はこう見えて家事のプロフェッショナルだぞ!」
同期ふたり組が盛り上がってどんどん話を進めていく。
「いや、ちょっと待ってください。私は」
「通勤時間が三十分になるんだよ? おまけに俺が使ってる路線はわりと空いてるから、座れはしないけど痴漢は出ないと思うよ」
「それは、魅力的ですけど」
「じゃあいいじゃん。うち来なよ」
「いや、だから」
「さて、そうと決まったら大家に電話して、やっぱり同居人が見つかったって連絡しないと」

