『もっとスティリスの社員としての自覚を持て』
変わりたくないからと逃げて、自分の考えに甘えたせいで、私は本当に、社長に迷惑をかけてしまったのだ。
「わ……私」
声が震えた。ぎゅっと握った手も、震えている。
地味であることを良しとして、イモと呼ばれても気にせず、日々の生活に精いっぱいだからと言い訳をして自分を磨くことを怠った。
それでもいいと、仕方ないと、自分を甘やかしていた。
そのせいで会社の看板に傷をつけて、社長の顔に泥を塗っていたなんて。
「私……」
自己嫌悪の波に押しつぶされそうになって言葉が詰まった、そのとき。はあっと小さくため息が聞こえた。
次の瞬間、長い指に顎を持ち上げられ、振り向かされる。

