怒りの矛先が自分に向いて、戸惑う。完全に八つ当たりじゃない。そう思うのに、彼女の言葉はまっすぐ私の胸を貫いた。
「あんたがそんななりだから、さっき新井さん、陰で笑われてたのよ! スティリスの看板に傷をつけないでよ!」
思いがけない言葉に、息が吸えなくなった。おそるおそる隣を見上げると、社長の顔からビジネススマイルが消えている。
どくんと心臓が音を立てた。
まさか、本当に、私のせいで――。
「あんたなんか、新庄さんと違って新井さんの傍にいていい女じゃないわ! 消えなさいよ! あんたはスティリスにふさわしくない!」
小柳さんの叫びが路地に響き渡る。甲高い声は反響して、あらゆる方向から私のことを突き刺した。
その中でもっとも深く私を貫いたのは、低い声だ。二か月半前に放たれた、社長の言葉。

