社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~


「ちょっ! なにしてるんですか!」

 ふたりの間に入り、社長の手を小柳さんから引きはがす。ちらりと見上げると、整った顔に浮かんだビジネススマイルがさらに引き攣っていた。わが社のトップは小柳さんの勢いに完全に引いている。

「小柳さん、あの、少し冷静に……」

「なによ、あなたには関係ないでしょ! 邪魔しないでよ!」

「失礼ですが、新井は失恋したからといって手当たり次第に女性と付き合うような人間ではありませんので……」

「はあ? この私が手当たり次第の女って言いたいの!?」

 目を吊り上げる彼女を見て、慌てて言い直す。

「いえ! つまり……失恋したからといって、弊社の新井は誰かを代わりにするような人間ではありませんという意味で……」