みんなより大きいから、なるべく目立たないように、邪魔にならないように、私は地味に生きてきたのだ。
子どもの頃から大柄で、成長するに連れて伸びていく自分の背丈が恨めしかった。母も妹も女性の平均身長なのに、どうして私だけがこんなに大きく育ってしまったのか。
聞くところによると父方の祖母が背の高い人だったらしい。
「……身長はいいとして、今後のキャリアプランについて前原さん自身のお考えを」
話を戻そうとするツーピースの女性を、ショートカットの彼女がにこやかに遮る。
「待って。もう少し雑談しましょうよ」
「新庄(しんじょう)さんはちょっと黙っててください」
「なんでよ、内藤(ないとう)ちゃんてば堅すぎ」

