やっぱり、地味な見た目がいけないのだろうか。でも真面目さはアピールできているはず。
ぐるぐる考え込んでいると、長机に着いていたもうひとりの企業担当者がふいに口を開いた。
「あなた、背丈があるのね」
質問をしてくるツーピースの女性に気を取られていて意識していなかったけれど、その女性はとても美しい人だった。
顔が小さく目鼻立ちがくっきりしていて、艶のあるショートカットの髪が良く似合っている。清楚な白いジャケットを上品に着こなしていて、大人のデキル女性という感じだ。
「身長、何センチ?」
「ええと……169.8センチ、です」
体を小さくしながら答えた。すると、彼女はつやつやの赤い唇をニッと持ち上げる。

