「...........ロキちゃん、やっぱ俺に対してだけ凄ーく厳しくなぁい?」
「き、きっと愛情の裏返しですよ!」
いじけるジェイドに、フォローになっているかは極めて疑問なフォローをカイムが入れた。
「愛情なら裏返ったのじゃなく、普通に受け取りたいもんだ」
もっともなことを言う。
だが考えてみれば、あのロキから真っ直ぐな愛情を渡されても.....非常に困る。
何だか想像しただけで寒気がして、一瞬でも想像してしまったジェイドは顔を蒼白くした。
「ど、どうしたんですか?」
「ごほんっ........さ、さてと!
さぁさぁ、真面目に歩こうじゃないか諸君!」
嫌なことを想像してしまったジェイドは、頭の中を切り替えたいとわざとらしく咳払いをして話を切り替えた。
「?」
ジェイドの嫌な想像にカイムとシエラは気が付くはずもなくて、二人は顔を見合わせ首を傾げる。
ちなみに前を行くロキが歩く足を止めないので、後に続く三人もずっと歩いたままでの会話。
ボーっと歩くのも危なっかしかったが、前を見ずにこうして歩くのも十分危ない気がする。
.

