なんて言いつつ、大きな欠伸をするカイム。
「おいおい.....本当かよ。
途中で寝たくなっても、担いでやってやらねぇぞ?
まぁ、お前が女だったら喜んで担ぐんだけどなぁ」
「ジェイドさん.....」
そんなことを真面目な顔で言うジェイドに、カイムは呆れて笑いを返す。
「あ、嬢ちゃんならいつでも担いでやるぜ?
って言っても嬢ちゃんはカイムと違って結局あのままぐっすりだったから、眠くねぇか」
「そ、そうですよ!
あともしもの時は俺が担いで歩きますから大丈夫です!」
........。
一瞬会話が止まる。
「..............。
あー、じゃあその時はカイムに担いでもらったらいいみたいだぜ、嬢ちゃん?
って、嬢ちゃーん。聞こえてるかい?」
カイムとジェイド、二人のやり取り。
先を行くロキは聞こえているはずだが、あえての無反応を決め込む。
そしてもう一人。
一応会話の中に組み込まれているはずのシエラは何の反応もしない。
至近距離なので聞こえていないはずはないのだが、シエラはまるで何も聞こえていないように何処かをぼんやり見つめてただ歩く。
前を見ているわけでもないのに、時々ぶつかりそうになる木々を避けているのは意識はそこに無くとも危険を避ける本能だろうか。
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