太陽の光に透けて浮かび上がる文字とその色合いに、何処か魅力を感じてパラパラッと指先で更にページを捲る。
パラッ。
文字が書いてある最後のページ。
そこまで来ると、そこでピタリとジェイドの手が止まった。
「ん?」
ジェイドの瞳が、一瞬怪訝そうに歪んだ。
それは太陽の眩しさからではなく、また違った理由から。
眩しさに細められた紅い瞳が、より一層まるで糸きれのように細くなる。
彼がそこで手を止めたのは、そこで記述が終わっていたからであるが、その他にジェイドは何かそのページ差し掛かった時に違和感を感じた。
その感じた違和感にジェイドは目を怪訝そうに細めたのである。
「これは........」
暫らく見つめその違和感の正体に気が付いた時、地平線から顔を僅かに覗かせていた太陽がその姿を大きく現した。
パァアッと、今までよりの明るく眩しい光が大地を走り世界を照らす。ジェイドを照らす。
視界には光の白が広がり、手に持ち掲げていた本の影が白い闇に飲まれた。
うっすらと四角い本の輪郭だけが白の中に浮かび、それ以外は見えなくなった。
そして本だけでなくジェイド自身も、白い闇に飲まれていく。

