「よっし、じゃあ決まりだな?」
「俺も、それでいいと思うよ。シエラ」
彼女の言葉に続けて、ジェイドとカイムから同意の言葉が洩れた。
ジェイドはやはりヘラッと軽い笑みを浮かべ、カイムは優しく穏やかに微笑んでいた。
二人の笑みを前にして、シエラの顔にもフワッと笑みが浮かぶ。
「ロキさん。私達は貴方に付いて行かせてもらいます。
まだ、ロキさん達の仲間になるかどうかは分からないけれど。付いていって、自分達でこのことの是非を確かめます」
「.........私の命は貴方がたをお連れすること。
貴方がたが付いてきて頂けるのであれば、構わない」
この空間の中で、一人だけ終始表情を変えないロキ。
やはり鉄仮面のようにその表情は変わらなかったが、彼はシエラの言葉に納得したように一定の声のトーンを保ったまま、淡々と答えた。
それから彼は、抑揚のないその口調を両側から迫る廊下の壁に反響させて、何も感情の読めない瞳でシエラ達三人をそれぞれ一瞥する。
「此処を発つのは貴方がたの都合で構わない。
此処での用が済み、発つ準備が出来たら南側の関所に来て頂きたい。
そこから発ち、我等が拠点とする場所に向かう」

