言葉を向けられた二人は、まだ彼等の中でも決めかねていた答えを求められ顔を見合わせる。
ジェイドに相談をしてからと、そう思っていた彼等はジェイドが自分達に決断をこうも簡単に任せるとは思っていなかったらしい。
実際、このメリエルの街へと至るまでの旅路の中でその主導権を握っていたのは、自分達よりも世界のことについての知識が何枚も上手のジェイドであった。
シエラ達もそれに納得し、任せ頼ってきたから、今回も彼へとこうして助けを求めに来たのだが。
「どうする、シエラ?
俺も、シエラが行く方に一緒に付いていくよ」
カイムは問い掛ける。
シエラは戸惑ったように彼を見て、それからジェイドへロキへと視線を移していく。
「..........行きます」
シエラが答えた。
四文字足らずの言葉を、はっきりと。
相も変わらず無感情な表情でこちらと視線を合わせたロキに向かって、彼女は言った。
「今の私達には、少しでも同じ意志を持った人が必要なんです。
........ロキさん達の目指すものは、たとえその方向は違っていてもその先にあるのは私達の目指すものと一緒だって思うの。
付いていって、その私達を連れてくるようにロキさんに命じた人に会って話してみる価値は、あると私は思います」

