ロキは言葉を続ける。
「それに"仲間"などという括りは下らぬ戯れに過ぎない。
........こちらの意見に関してはどうやら君も同じ意見を持っているようだが、それを隠し盾にして己を偽っているようだ。
助言させて頂こう。
隠すぐらいなら捨て置いた方がいい。その偽りはいづれ君の身を滅ぼす」
「.......」
ロキとジェイド、二つの視線がぶつかった。
ぶつかる二つの瞳の帯びる色は異なるが、どちらも何処か陰っているように見え、それを見ていたカイムとシエラは背筋にゾッと寒気が走る感覚を覚えた。
「.......ほぅ、なかなか言ってくれるねぇ?
不愉快極まりねぇ言い方で、失礼この上ねぇことをつらつらと。
どうも気に入らねぇな」
「............君がどう思おうと私の知る所ではない。
こちらの事情は、君にも判って頂けたはず。
さぁ。彼等と共に此処を立つか、それとも彼等と別れ留まるのか決断をして頂きたい」
どうやらこの二人は、根本的に合わないようだった。
進んで表には出さないが裏から沸々と滲み出る相手への牽制が、この狭い空間をより狭く感じさせていた。

