視線ではジェイドを見ているが、その言葉はその先に居るカイムとシエラへと向けられていた。
ジェイドの問い掛けに関しては全くの無視で答える様子はなく、逆にそう尋ねた。
「.....は、はい」
カイムがハッとしたように答えて、シエラはその隣で頷く。
それからシエラが今まで居たカイムの少し後ろの隣から、恐る恐る一歩前に踏み出してカイムの言葉に続けるように口を開く。
「ロキさん。この人はジェイドさんといって、私達と一緒に旅をしてくれているんです。
ジェイドさんは魔族ですけど.....敵に襲われた時に一緒に戦ってくれたり、色々と私達の知らないことを教えてくれて。
欠かすことの出来ない、もう一人の私達の仲間なんです」
一歩踏み出し、ジェイドの方を見てシエラは未だ彼の方を凝視するロキに説明するような口調で言った。
ジェイドのことを警戒して彼を凝視しているのか、それとも単に観察をしているだけなのか分からない。
だが、とりあえず初めて対面する二人に互いの素性を知らせておかなければとシエラは思った。
「......」

