〜3〜
シエラはその歌声に引き寄せられるかのように森の方へと歩いてゆく。
聞こえてくる歌声は、何故だか聞いていると不思議な気分になる。
どこか聞いたことのあるような懐かしさ。
でも初めて聞いたような、そんな気もする。
聞いていると何だか安心する。でもどこか哀しい気持ちになる。
こんな気持ちになるのは、何故だろう?
今シエラの中ではその歌声が、音の一つ一つが心に何かを語りかけてくるような感じがしていた。
ふと気付き視線を上げれば、シエラは森の入り口に立っていた。
「.....あれ、何で私こんなところに?」
シエラは目の前に広がる森の中に視線を向ける。
耳を澄ませば、森の奥からあの不思議な歌が聞こえてくるのが分かる。
この先に、求めるものがある。
(―――やっぱりこの奥から聞こえる。
でも本当にいったい誰が?)
空を見れば、もう陽は沈み暗かった。
そんな暗い空に見えるのは瞬く星と輝く月だけ。
こんな時間にこの森に来る人は滅多にいない。
この森の中は入り組んでいて迷いやすいということを皆、知っているからだ。
実際、シエラはもう2度もこの森で迷った経験がある。
この森で迷うこと。それはシエラの中でちょっとしたトラウマになっていた。
(どうしよう.....この森迷いやすいし、しかももう暗い。
入ったら絶対に迷う自信があるよ、私。
でも――――)
でも、この森の奥にいるはずの不思議な歌声の主を見てみたい。
シエラはそんな衝動に駆られた。
いや、見なければいけない。そんな使命感のようなものさえ感じた。
見なければ、きっとずっと後悔する。心がそう告げているのだ。
「........よし、行くか」
暫らく迷い、入り口の前わ右往左往。
だがシエラはどうしても気持ちを抑えられずに、この暗闇の森の中へと入っていくことを決心した。
シエラはその歌声に引き寄せられるかのように森の方へと歩いてゆく。
聞こえてくる歌声は、何故だか聞いていると不思議な気分になる。
どこか聞いたことのあるような懐かしさ。
でも初めて聞いたような、そんな気もする。
聞いていると何だか安心する。でもどこか哀しい気持ちになる。
こんな気持ちになるのは、何故だろう?
今シエラの中ではその歌声が、音の一つ一つが心に何かを語りかけてくるような感じがしていた。
ふと気付き視線を上げれば、シエラは森の入り口に立っていた。
「.....あれ、何で私こんなところに?」
シエラは目の前に広がる森の中に視線を向ける。
耳を澄ませば、森の奥からあの不思議な歌が聞こえてくるのが分かる。
この先に、求めるものがある。
(―――やっぱりこの奥から聞こえる。
でも本当にいったい誰が?)
空を見れば、もう陽は沈み暗かった。
そんな暗い空に見えるのは瞬く星と輝く月だけ。
こんな時間にこの森に来る人は滅多にいない。
この森の中は入り組んでいて迷いやすいということを皆、知っているからだ。
実際、シエラはもう2度もこの森で迷った経験がある。
この森で迷うこと。それはシエラの中でちょっとしたトラウマになっていた。
(どうしよう.....この森迷いやすいし、しかももう暗い。
入ったら絶対に迷う自信があるよ、私。
でも――――)
でも、この森の奥にいるはずの不思議な歌声の主を見てみたい。
シエラはそんな衝動に駆られた。
いや、見なければいけない。そんな使命感のようなものさえ感じた。
見なければ、きっとずっと後悔する。心がそう告げているのだ。
「........よし、行くか」
暫らく迷い、入り口の前わ右往左往。
だがシエラはどうしても気持ちを抑えられずに、この暗闇の森の中へと入っていくことを決心した。

