「...........すまねぇな、隊長。
今はあんたと遊んでばっかりは居られねぇんだ。

というわけで、だ。
この辺で負けてくれ?」



「フッ。口先だけで物を言うな。
お前の力じゃ俺を越えられない!」




ッ!
ライルはジェイドの言葉に嘲笑いながら答えると一気に攻撃を仕掛けた。


カンッ!
さっきよりも力が増しているその攻撃に受け止めながらジェイドは少しだけたじろぐ。










「あぁ、そうだな.....っ!
確かに俺の力はあんたと互角、いや寧ろ俺の方が劣ってる」



たじろぎながらも彼には焦りの色は無い。

滲み出るのは、何処か余裕の色。
ジェイドはライルを見据え、ニカッと笑いを見せる。











「だがなぁ――――それは武器での戦闘だけの話。

忘れちゃいないかい?
俺は隊長が持ってないものを持ってるってこと。
あんたでは絶対俺に勝つことが出来ないものを、俺は持っている。

なぁ、隊長よ?
それが何だか、あんたには分かるかい?」





ジェイドの顔に浮かぶ妖艶な笑み。余裕。

ッ。
二人の間に流れている時がほんの一瞬だけ止まった気がした。












「...........それはなぁ、魔力さ」



不敵な笑みと共に放たれたジェイドの言葉。

――――。
微かにライルの表情が動揺で歪んで見えた。





.........。
その一瞬をジェイドは逃さない。

ッ!
次の瞬間、彼はライルから飛び退き今まで交え合っていた槍を地へと深く突き刺す。







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