――――。
ジェイドは軽く笑う。
本当に彼はよく笑う男だ。
ジェイドと出会ってから、まだそれほど時間は経っていないはずなのにもう彼の笑みを何回見たことか。
軽い笑み。
嘲るような笑み。
そんな笑いで、自分の本当の感情を誤魔化しているような感じをシエラは心の奥で感じて眉を少しだけ潜めた。
「奴等は母さんを殺して村の皆を殺して、私から全てを奪っていきました。
その者達の名を言えばきっと貴方にも判るでしょう。
今のこの世界で、最も知られているはずの魔族の名ですから」
「......ほぅ。
そう言わると、もう大体の予想は付いちゃうねぇ」
――――。
「.......きっとその予想は当たっていると思います。
奴等の名―――ロアル。それにライル。
聞き覚えはあるはずです......彼等は今のこの世界の中で魔族を統べる者達ですから」
ロアル。
ライル。
連ねられる彼女の恨むべき者達の名。
........。
その二つの名はジェイドが予想したものと見事に一致した。
「あぁ、予想通りだ。
......だがすまないな、名前を聞いたことがあるその程度さ」
ジェイドは答えた。
―――。
表情は変わっていないように見える。
だが少しだけ強張っているように彼女は感じた。
「ロアルは魔族の大国の王だと聞きました。
それも知りませんか?」
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