「...........力を、貸して――――水竜」 シエラは次第に薄れる意識の中で、勝手に自らの口から何か言葉が紡ぎだされるのを感じた。 だがシエラ自身、こんな状況で何故このような言葉を発しているのか、分からない。 「なっ! お前は、まさか―――」 シエラはロアルが何かを言っているのを遠くに聞いた。 そして無意識に紡ぎ出される自分の声も。 あぁ、意識が遠退く。 薄れ行く意識の中。 遠目に炎の紅を焼き付けて、彼女は静かに意識を失った。 .