ッ。
ただ見ていることしか出来ない自分が凄く小さく思えてライルの胸が痛んだ。
「なぁ、ルシアス?」
王との話が終わり、あの庭へと続く廊下。
「ん、なぁに?」
彼女は答える。
そしてライルの方へと視線を向けた。
その向けられた瞳は、さっき少し涙を溜めたせいか少しだけ赤かった。
「........どうしてルシアスは他の人のためにあんなにまで必死になれるの?」
ライルは向けられた瞳に目を合わせ、今の自分の中にある率直な疑問を投げ掛ける。
思ったことをそのまんま。
何も飾らない言葉で聞いた。
「何でって.........だって人を助けたいって思うのは当然のことでしょう?
理由なんて要らないわ。
ライルだって、困ってたり苦しんでたりする人が居たら助けなきゃって思うはず、それと同じよ』
ルシアスはそう答える。
何を当たり前のことを聞いてるの?
そう言いたげな口振り。
――――。
聞いた側のライルまで、自分が変なことを聞いてしまったような気分になった。
「そ、そうか....」
「えぇ、そうよ!」
彼女は自分にとって当たり前のことを真面目な顔で聞いてくるライルが何だか可笑しく見えて笑いを溢した。
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