自分の前を行く大きな背中。
――――。
ずっとこの人に付いて行こう。
そうあの時俺は心の底からそう思ったんだ。
「んんあ、キトラ」
ッ。
隣からの唐突な寝呆けたような声。
昔の記憶に浸っていたキトラの意識は呼び戻される。
「あ!よかったぁ、気が付いたか!」
「気が付いたかって......!
そ、そうだ!隊長は!?」
ずっと固まってた彼。
そんな彼は自分が固まった原因を思い出して辺りを見回す。
額には冷や汗がツゥッと伝う。
「隊長なら会議があるからって、お前が固まってる間に先に向かったよ。
はっ!
って俺達も早く行かなくちゃいけないんだった!」
「え、会議って?
おいキトラ、まさかお前何か重大な問題を引き起こしたんじゃ―――」
「って、違う!
会議っていうのはっ.........もう、説明するより行った方が早いって!行くぞ!」
「お、おい!
置いてくなって!」
ッ。
先程ライルがこの場を去ってから、思ったよりも時間が経っていることに気が付く。
これは急がねば拙い。
会議。軍議。
当然の事ながら遅刻は御法度だ。
キトラは状況を飲み込めない同僚であり友人である彼を無理矢理引っ張る。
ッ。
静かな廊下が二人の足音で騒がしくなる。
引っ張られ前にのめり込みそうになる彼に気にも留めず、キトラは急いで会議が今にも行われるはずのライルの元へと走って行った。
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