ッ。
部屋の奥には男が座っていた。
王の間。
その部屋に在る大きく空間を威圧するようにある椅子は、勿論玉座である。
そこに王は、ロアルは座っていた。
――――。
ロアルはスッと立ち上がる。
そして自らに跪く彼を前に薄く笑う。
「まぁよい。
いつまでそこでそうしているつもりだ?
こっちへと来るのだ。
お前には他の兵士等が来る前に幾つか話をしておきたいこともある」
「はい」
ライルは深々と下げていた頭を上げ、ロアルの方を見る。
目に映るのは自分の主の姿。
........。
何故だろう。
時を重ねる毎にこの人の纏う闇は濃さを増していっているような気がする。
日に日に、濃く。暗く。
いつかこの闇が全てを巻き込んでしまうのではないか、と思ってしまう程に。
ロアルの纏う闇には何だか威圧感のようなものがある。
「何を呆けている?」
そんなことを考えていた彼はその声でハッと我に返る。
「すみません、何でもありません」
此処に居る理由は、そんなことを思うためではない。
それを思い出して彼は思考を切り替える。
「どのような用件で俺.....いや私を?」
ッ。
思考を切り替えた彼は立ち上がり、招かれるまま玉座に座るロアルの元へと恐縮しながら歩み寄る。
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