mirage of story

〜15〜







ゴゴ....ゴゴゴオォ.....ッ。



辺りを支配していた轟音は、やがて消え行く。





.......消え行く轟音。
それは一つの街の消滅を意味していた。







「あぁ......俺達の街が────消えて行く」




一人の若者が、地面にうなだれながら呟いた。



目の前で自分たちの街が、音を立てて崩れ去る。

その光景を目の当たりにする、街の住人たち。






────今、この世界から消え去ったあの街の住人は生きていた。


怪我の一つもなく、みんな......みんな生きていた。






「........気を落すでない。
皆が無事で生きている.......それほど嬉しいことはなかろう?」





消えてしまった街を見てうなだれる人達を前に、あの街の長であった老人は
威厳に満ちた声で言った。


街がなくなった以上、集落という枷は外れた。

だから、もう彼は長でもなんでもない。



だが彼の言葉は、いつもと同じように強く響き渡った。





その声に、泣き崩れていた人も、悔しさに打ち拉がれていた人も
老人の元に視線を集める。






「──────そうだ.......街がなくなったって、皆が無事なんだ!」




「それなら.....まだやり直せるはずじゃないか!

........終わりなんかじゃ、ないんだ」