その謎の不思議な石を、ロアルは空高く昇る太陽へとかざした。
────....ッ。
光を浴びていない時は、ただの石にしか見えなかったその石は太陽の光に当てられた瞬間に一変。
透かされて、虹色の光を帯びた。
さっきロアルが見つけた、小さな石の欠片と同じ色だ。
ロアルは小さな石の欠片を持った方の手もスッと挙げ、そのまま、太陽に透かされて同じ光を放つ石へとゆっくり近付けた。
カンッ。
少し高めの音を響かせて、二つの石がぶつかった。
.........。
すると、今まで静かに光を放つだけだった石たちが、変化を見せた。
ロアルが懐から取り出した不思議な石が、まるで小さな石の欠片を飲み込むかのように包み込み、しばらくすると二つだった石が一つの石になってしまう。
まるで元から一つの石だったように、ロアルの手の平にさっきより少しだけ大きくなった石が転がっている。
「........あと、少しだ」
ロアルは、その石を見て呟くと、あの不気味な笑みを浮かべた。
そして再びほくそ笑むと、心なしかさっきより大きくなったように思える石をロアルは再び懐の中へと戻した。
ロアルは、その場から立ち上がろうと近くの瓦礫に手をかけようと辺りを見る。
それから不規則に積み上がった瓦礫が崩れないように、慎重に場所を定めるとそこに手をついた。
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