ロアルは、その場に屈んで上に積み重なる瓦礫を一つ一つ取り去ってゆく。
最後の一際大きい塊を取り去り、瓦礫の中で輝いていた何かが姿を見せた。
「間に合った.....!」
ロアルは、安心の吐息をつきその輝く何かを手に取った。
そのロアルの手の中には、虹色の淡い輝きを放つ小さな石。
まるで、地上に墜ちてしまった夜空に輝く星の欠片を思わせるような美しい石。
.........どうやら彼の探し回っていたものは、この石のようだ。
彼のほくそ笑む顔が、そのことを物語る。
「......多少力は衰えてはいるが、まぁいい。
光はまだ失ってはいない」
ロアルはその石を狂おしい程愛しそうな瞳で見つめながら懐に手を入れ、片手の手の平に乗るくらいの何かを探り当てて外へと出した。
「早く融合させてしまわねば」
懐から出した道を歩けばそこらに落ちているような変哲もない、ただの石。
形も色も、何にも特徴はないただの石っころだ。
だがこの石は、指輪を持つ少女と一年前に出会った時に森の中でロアルが落とし、シエラが拾った。
そして、シエラの指輪と共鳴して光を放ったあの不思議な石だった。
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