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二人の会話が一区切りし、沈黙に包まれる辺り。
窮地から数刻。
追っ手が来る気配はやはり無い。
「そろそろ行こう。
たとえ追って来てないと言っても長居は危険だからね」
「えぇ、そうね」
ッ。
二人は、岩の陰でゆっくり立ち上がる。
カイムは念のためにもう一度、岩陰から追っ手が来ていないか確認をして再度敵の姿が無いことを確認した。
「───行こう」
カイムとシエラはさっき走ってきた大地に背を向けて、前へと歩み出す。
........。
これで本当の本当のシエラの故郷との、さようなら。
でも、いつかきっと目的を果たして戻る。
絶対に二人で。
そう心で誓って、二人はこの地を後にした───。
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