〜5〜
「――――――というわけだ。
すぐにライルに、私の元に来るようにと伝えておけ」
「分かりました、ロアル様。
すぐに伝えて参ります」
ガチャン。
言付けを預かった従者が、部屋の外へと出ていった。
部屋に、朝の爽やかさと静けさが戻る。
部屋の中にはただ一人この部屋の、この多くの魔族が集う国の主であるロアルが居るだけ。
(夜が明けたか......)
窓の外に、目をやり太陽が次第に昇ってゆく様子をロアルは見る。
長い夜が明けた。
長い昨日が終わり、今日という日が来た。
(.......昨日は、色々とあった。
任務は果たすことは出来たが、奴を――――あの小娘の始末をし損なった)
憎悪と悔しさを込めて唇を噛む。
強く噛み締める。
ジワリと唇の薄い皮が裂け、じんわり血の味がする。
(あの小娘.......もう少しで、始末出来る所であったのに。
アイツの邪魔が入ったせいで引き下がるしかなかったのだ。
実に忌々しい)
口の中に広がる鉄臭い血の味を留めたままに昨日のことを振り返る。
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「――――――というわけだ。
すぐにライルに、私の元に来るようにと伝えておけ」
「分かりました、ロアル様。
すぐに伝えて参ります」
ガチャン。
言付けを預かった従者が、部屋の外へと出ていった。
部屋に、朝の爽やかさと静けさが戻る。
部屋の中にはただ一人この部屋の、この多くの魔族が集う国の主であるロアルが居るだけ。
(夜が明けたか......)
窓の外に、目をやり太陽が次第に昇ってゆく様子をロアルは見る。
長い夜が明けた。
長い昨日が終わり、今日という日が来た。
(.......昨日は、色々とあった。
任務は果たすことは出来たが、奴を――――あの小娘の始末をし損なった)
憎悪と悔しさを込めて唇を噛む。
強く噛み締める。
ジワリと唇の薄い皮が裂け、じんわり血の味がする。
(あの小娘.......もう少しで、始末出来る所であったのに。
アイツの邪魔が入ったせいで引き下がるしかなかったのだ。
実に忌々しい)
口の中に広がる鉄臭い血の味を留めたままに昨日のことを振り返る。
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