目を開ければ、そこには光。
溢れる程のその光は、暗く寒々しい現実とは裏腹に真っ白で明るい。
あまりの眩しさに、反射的にライルは目を細める。
(夢が.......覚めたんだな)
現実に戻ってきたんだ。
また自分は戻ってきてしまった。
........ルシアスの居ない、この世界に。
(.......ルシアス....)
そう思った瞬間に、ライルの中に孤独感が一気に込み上げてきた。
ただ猛烈に、哀しくなった。
――――。
それと同時に、どうしても抑えきれなくなってライルの瞳から不意に冷たいものが流れ出す。
(―――――――ルシアス。
俺はお前との誓いを必ず果たす。
俺の全てを捧げてでも)
ッ。
孤独と決意の籠もった涙の雫が、ライルの頬を伝い床へと落ちる。
ピチャンという小さな小さな水の音。
ライルはその涙の雫が陽の光に反射してキラキラ輝くのを、しばらく静かに見つめた。
―――。
トントンッ。
落ちる涙の滴が乾かぬ間に、唐突に響く扉を叩く音。
彼は我へと引き戻される。
「何だ?」
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