「.......ごめん。
カイムには迷惑ばっかかけている。
これからカイムと仲間としての旅が始まるっていうのに、頼ってばっかりじゃ駄目なのにね」
支えられる身体。
彼女は少しだけ自嘲を含んだ笑みを彼へと向ける。
「シエラ.......」
その言葉に今までの色々な感情を抑えきれなくなった。
ッ。彼は彼女を支える状態のまま彼女の肩を堪らず抱き寄せる。
「!」
彼女がハッとした時にはもう身体は彼の腕の中。
突然のことに身体が強ばる。
思ったよりもしっかりとした腕に彼女は包まれた。
――――。
彼女は抵抗も出来ないでそのまま身を任せる。
鼓動が、一気に速くなっていく気がした。
「いいんだよ、頼っても。俺になら。
そのための仲間だ。
そのために俺はシエラを迎えに来たんだよ?」
辛い時は、哀しみを。
幸せな時は喜びを。
どんな時にも、気持ちを共有して頼り合える。
それが、仲間というものだろう?
カイムはそう語るように彼女を見る。
ッ。
カイムは自分の元に抱き寄せたシエラからそっと身を引いて彼女の正面へと立った。
「貴方が俺に心配して貰うのが嫌なら心配はしない。
.......俺はただ貴方の、シエラの大丈夫っていう言葉を信じて側に居るよ」
真剣ででも何処か優しい。
ッ。
そんな瞳に思わずドキッとした。
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