mirage of story

〜3〜







シエラ。
カイム。







「俺は」「私は」



.......。
仲間と共に旅立つ。








二人は同時に同じ想いを抱き、そして同時に目を開けた。

ッ。二人の想いが一つに重なったこの時、昇りかけていた朝日がいっそう眩しく輝く。










「おはよう」



日常と変わらぬ普通の朝の挨拶。
お互いの声で無事を確認し合う二人。

昨日のことがあってから二人はようやく笑い合って言葉を交わす。
互いの鼓膜を揺らすその声に、ホッと安堵した空気が空間に染み渡る。








「.......シエラ。
よかった、大丈夫みたいだね」 



「えぇ、私は全然大丈夫よ。
ほら――――っ!」




彼女を案ずるカイム。
自分の無事を伝えようと身体を起こそうとする彼女。

起こそうとした。
だが身体中に走る激痛で彼女はすぐにその場に倒れこんでしまう。 












「っ!
駄目だ、無理をしちゃ!」



「これくらい、何て事無いわ。
本当にごめんなさい、心配ばかりかけて」











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