紅の炎を纏った身体に、何もかもを包み込んでしまいそうな大きな翼。
そして、ライルを見据える凛とした瞳。
その瞳からは、簡単に人を寄せ付けない―――威圧感のようなものを感じた。
「......あんたが、炎竜なのか?
指輪に封じられたって云われている、その竜なの?」
初めて見る竜という存在。
思わずまじまじと凝視して意識にその姿を焼き付ける。
"御名答だ―――少年よ。ライルよ。
我がこの指輪を守護するこの指輪に宿りし存在、炎竜ぞ。
――――。
.....では今度は、我が問うとしよう。
我を目覚めさせ我をこうして垣間見えることが出来る存在―――問おう、お前が選ばれし者ということか?"
炎竜が問い掛ける。
と、同時にライルの周りを炎が取り囲んだ。
"問おう"というその答えを逃さないよう、竜は彼の逃げ道を自らの分身である炎で全て塞いでしまった。
強引。
まぁ、この炎が無かったところでライルにはこの空間から抜け出す術は無いのだが。
(炎が!)
ライルは目の前の光景に圧倒され、思わず一歩後ろへと下がった。
"恐れることはない。
.......さぁ、答えよ。お前は、選ばれた者か?"
炎竜は尚も問う。
試すような、何処か楽しむようにも聞こえる声。
逃れる術の無い緊張感に誘われ、ライルは恐る恐る口を開く。
「お、俺には自分が選ばれた者かだなんて分からないよ!
王様なら知っているかもしれないけれど......俺はライルだよ、それしか分からない。
ただ、俺は強くなりたくてそのためにあんたの名を呼んだんだ」
ライルは、素直にそう答えた。
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