“ずっと、この子の傍に.....居れたらいいな”
これは心の底から思ったライルの素直な気持ちだった。
「......お姫様、僕―――お姫様と友達になりたい。
僕、嬉しいんだ。
お姫様が、初めて僕を....普通のみんなと同じに見てくれて。辛い時は、泣いてもいいんだって教えてくれて」
ライルは、そこまで言うとルシアスの目をしっかり見据えた。
「―――お姫様。
......僕は君の、あなたの傍に居てもいいですか?
あなたの隣で笑っていてもいいですか?
そのかわり、僕がお姫様を守ります。お姫様の笑顔を、なくさせないから」
「―――うん!じゃあ、私たち今日からお友達だね」
ルシアスが笑った。
ライルが守りたいと思った、あの笑顔だった。
「じゃあ、これお友達の証だよ?
このお花はね、『レイリス』って言うの。
このお花の意味はね....『別れ』と『出会い』って意味があるんだって。たとえ別れることがあったとしても....必ずまた出会える―――そんな意味があるんだって、父様が言ってたわ」
ルシアスは、傍らに咲いている小さな花を指差して、そう言った。
「私たちも、このお花みたいなりたいと思って。
だから....これは私とあなた―――ライルが出会った証だよ?
だから、忘れちゃ駄目だよ?ライル」

