〜2〜
夜の闇の中、二人の男は歩いていた。
「どうしてなんですか!?ロアル様!」
そのうちの一人。
短い青がかった髪を揺らすライルの声が、果てなく広がる闇に空しく響き渡った。
「何故です?
何故あの時、アイツにとどめを刺さなかったのですか!?」
ライルの怒りと疑問の矛先は、隣を行く自分の主人。
闇に溶け込むような黒を纏うロアルを見た。
今、夜道を歩くこの二人。
この二人は、つい先程まで自らが放った炎で燃えゆく小さな村の中に居た。
燃え盛る紅の中に居た。
彼等はその村に、とある仕事をするために来ていた。
それはライル曰く、世界を平和にするための仕事。 だが実際は、敵への襲撃。
そうだ。ついさっきまでこの二人の男は、自分達魔族にとっての敵である人間たちを襲撃するという"平和"のための仕事をしていた。
彼等は軍人。
ロアルは王という立場も持つが、その地位につくまでは戦の最前線に出ていたれっきとした軍人である。
そんな彼等の仕事は、自分達の国を守ること。
もっと言えば国がやられる前にやること、だ。
今回の出陣は少人数で且つロアルの一存で内密に行われたもので、目的は不穏な動きを見せる人間の村を焼き払うこと。
そしてとある人物を捕らえ、ある物を奪い手に入れること。
遂行のため抵抗を見せた村の人間達を始末して、目的の人物を探していたライル。
そんな最中、彼は自分の大切な者の仇と出会いそして戦った。
大切な人の仇。
それは同時に、この出陣の目的の人物でもあった。
戸惑い怒り、そして哀しみの中。
ライルはその者を追い詰めた。
そして、ようやく仇が取れる。
そう思ったのに。
(なのに、何故.....っ!)
ライルにはどうしても、この今の状況に納得がいかなかった。
「少しは心を落ち着かせよ」
夜の闇の中、二人の男は歩いていた。
「どうしてなんですか!?ロアル様!」
そのうちの一人。
短い青がかった髪を揺らすライルの声が、果てなく広がる闇に空しく響き渡った。
「何故です?
何故あの時、アイツにとどめを刺さなかったのですか!?」
ライルの怒りと疑問の矛先は、隣を行く自分の主人。
闇に溶け込むような黒を纏うロアルを見た。
今、夜道を歩くこの二人。
この二人は、つい先程まで自らが放った炎で燃えゆく小さな村の中に居た。
燃え盛る紅の中に居た。
彼等はその村に、とある仕事をするために来ていた。
それはライル曰く、世界を平和にするための仕事。 だが実際は、敵への襲撃。
そうだ。ついさっきまでこの二人の男は、自分達魔族にとっての敵である人間たちを襲撃するという"平和"のための仕事をしていた。
彼等は軍人。
ロアルは王という立場も持つが、その地位につくまでは戦の最前線に出ていたれっきとした軍人である。
そんな彼等の仕事は、自分達の国を守ること。
もっと言えば国がやられる前にやること、だ。
今回の出陣は少人数で且つロアルの一存で内密に行われたもので、目的は不穏な動きを見せる人間の村を焼き払うこと。
そしてとある人物を捕らえ、ある物を奪い手に入れること。
遂行のため抵抗を見せた村の人間達を始末して、目的の人物を探していたライル。
そんな最中、彼は自分の大切な者の仇と出会いそして戦った。
大切な人の仇。
それは同時に、この出陣の目的の人物でもあった。
戸惑い怒り、そして哀しみの中。
ライルはその者を追い詰めた。
そして、ようやく仇が取れる。
そう思ったのに。
(なのに、何故.....っ!)
ライルにはどうしても、この今の状況に納得がいかなかった。
「少しは心を落ち着かせよ」

