〜1〜
「――――ここまで来れば、もう大丈夫だろう」
カイムは後ろを振り返る。
その目に映るのは今さっきまで自分たちが居た村が炎によって焼かれ、脆く崩れ去っていく光景。
(危ないところだった)
あの中にまだ自分達が居たとしたら、今頃は。
そう考えると、背筋がゾッとした。
「......さすがに疲れたな」
シエラを抱え、ここまで走ってきたのだ。
疲れるのも無理はない。
「ふぅ....」
カイムは、自分の腕の中で眠るシエラをそっと下へと下ろす。
そしてそのシエラの隣にカイムもそっと腰を下ろした。
空を見上げれば、夜の闇に星が輝いていた。
そして遠くには、まだ炎が鎮まらない燃えゆく村の揺らめく炎の灯り。
闇に炎の紅がよく映える。
(綺麗だな)
カイムは不覚にも、そう思ってしまった。
仲間の、シエラの故郷を燃やして輝く炎。
本当は憎い。
そのはずなのに、思わず綺麗だと感じてしまった。
それは、カイムの中にあるシエラを救えることが出来たという安心感が、そう思わせたのかもしれない。
「――――ここまで来れば、もう大丈夫だろう」
カイムは後ろを振り返る。
その目に映るのは今さっきまで自分たちが居た村が炎によって焼かれ、脆く崩れ去っていく光景。
(危ないところだった)
あの中にまだ自分達が居たとしたら、今頃は。
そう考えると、背筋がゾッとした。
「......さすがに疲れたな」
シエラを抱え、ここまで走ってきたのだ。
疲れるのも無理はない。
「ふぅ....」
カイムは、自分の腕の中で眠るシエラをそっと下へと下ろす。
そしてそのシエラの隣にカイムもそっと腰を下ろした。
空を見上げれば、夜の闇に星が輝いていた。
そして遠くには、まだ炎が鎮まらない燃えゆく村の揺らめく炎の灯り。
闇に炎の紅がよく映える。
(綺麗だな)
カイムは不覚にも、そう思ってしまった。
仲間の、シエラの故郷を燃やして輝く炎。
本当は憎い。
そのはずなのに、思わず綺麗だと感じてしまった。
それは、カイムの中にあるシエラを救えることが出来たという安心感が、そう思わせたのかもしれない。