一年前。シエラがある想いを誓ったあの日。
エルザは永遠の眠りへとついた。
ある一人の男の手によって。
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シエラは静かに吹き抜ける風に揺られ美しくなびく草の上に座り、静かに目を閉じた。
草をなびかせる風が、彼女の綺麗なオレンジがかった茶色の髪を舞わせる。
風に舞う髪がサラリと彼女の頬を擽った。
「――――思い出す。
あの日私は此処で.........大切な人を失ったんだ」
シエラの瞳から、キラキラ光る涙の雫が零れ出した。
その涙の雫は、煌めきを放ちながら流れ落ちる。
.....ポタッ。
そしてやがてシエラの記憶が籠められた雫は、そのまま辺りを一年前のあの日に連れ戻す。
立ちすくむこの空間の中、落ちる涙の雫だけがキラキラと輝きを放っていた。

