『待ってる』。
そのシエラの言葉が。
さまざまな想いがカイムの中を駆け巡る。
「.......」
そしてその想いの先が、やがてカイムの心に一つの決心を導いた。
不安で苦しくて、哀しい。
でも何よりも、固く強い決心だった。
(今が俺にとって.....この地を旅立つ時、なのかもしれない)
カイムは決心を胸に立ち上がり、まだ微かに残る涙を拭った。
「――――行こう」
そして荒野を見つめ、カイムは静かに歩き始めた。
約束を果たすために。目的の果たすために。
強く固めた決心と共に、自分のことを待っている――――大切な仲間の元へ。

