ほんの一瞬の出来事。 だがその一瞬で、みんな消えてしまった。 目の前には、荒れた大地が虚しくどこまでも広がっている。 自らの無力さが晴れた夕陽の空に映え、どこまでも哀しく輝いていた。 あの日と同じ無力さ。 父が自分を捨てた。 そう知りながら、何も出来なかったあの日と同じ。 自分の無力さを改めて思い知った。 そしてカイムは一人、込み上げる虚無感の中でポッカリと空いてしまった心の穴を埋めるように、ついさっきまで自分の故郷があったはずの場所で、静かに泣いた。