「さぁね?
俺は神なんかじゃねぇから分からねぇけど、まぁ何かあったんじゃない?俺達には分からないような、物凄い難しい理由が。
うーん、と......それか神の気紛れってやつ?
まぁ、どっちにしろ俺には関係無いが。
自分は自分。
神なんかに振り回されるのは御免だね、俺は」
「............そうだな」
ロキはまだ何か言いたげだったが、結局それ以上何も続けなかった。
ッ。
それから数秒後、ロキは空気を切り替えるように手にする剣の柄を握り直す。
それからスッとジェイドを見て言う。
「お前についていこう」
「あぁ、じゃあ行きますか」
周りの闇で方向すら分からない。
だけれどジェイドは迷いもなく一方向を指差して、ロキにニカッと笑う。
ロキにはそちらの方向に何があるのか見えはしなかったけれど、歩き始めるジェイドの後を素直について行く。
自分でも不思議なことに、ロキは前を行くこのジェイドという男の背中を何の疑いも無く信頼していた。
それにふと気が付いて、ロキは背を向けるジェイドには分からないようにほんの少しだけ笑った。
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