「―――んで、戦況はどうなってるわけ?
........俺の見たところ、あんまり宜しくないようだけど」
そんなロキにジェイドはハハッと笑うと、一息つき辺りを見回す仕草を見せる。
とは言っても辺りは闇が立ちこめているので、見渡すことは出来ないが。
それでも気配か何かでジェイドには分かるのだろう。
一通りを見渡して、彼らしくなく表情をあからさまに曇らせた。
「............この感じだと、半数生き残っていればいい方か。
まったく困ったもんだ。
はいはい、こりゃ本格的に時間が無いって訳ね。
じゃあ、全滅しちまう前にさっさと敵さんの所に乗り込みますかね、ロキちゃん?」
フゥッと溜め息をつく。
彼らしくなく表情は曇らせたものの言う声には焦燥感は無く、曇らせた表情がまた笑いへと変わる。
「どうやって乗り込むつもりだ?
この闇の中、前に進むので精一杯の状況で敵の居場所さえ分からない。
お前のその軽い頭に、良策があるというのなら話は別だが」
「軽い頭って、また傷付く言葉をさらりと言うー。
策ならあるさ?
.........ロキちゃんには聞こえないかい?
さっきから敵さんの攻撃の合間に、竜の声というか気配がするのが。
きっとあれは仲間の、あの光の竜の声。
敵さんの気配は闇に惑わされて分からねぇが、この声は闇に惑わされちゃいない。
辿って行きゃ、敵さんの所に導いてくれるんじゃねぇのかな」
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