「この者って.....なぁ、ロキちゃん。
そうやって指差して言うの止めてくれない?」
「では、何も無いようなので実行に移します」
「.........ねぇ、また無視って」
「全ての兵、速やかに二手に分かれよ!
時間はない。
一手は私の元へ、もう一手は指示を仰げ!」
「.......もしもーし」
「急げ!速さで馬は竜に劣る。
グズグズしている暇は無い!」
「ロキちゃんの鬼ー!人でなしー!鉄仮面ー!」
「........」
ま、まぁ双方に問題はあるようだが相性は悪くない。
.....かもしれない。
色々と嘆くジェイドをロキは完全に無視をしつつ、兵は二つに分断された。
一方は、ロキと何だかんだ言ってその後をついていくジェイドの元へ。
一方はジスとシエラ、そしてライルの元へ。
「ロキちゃんの鬼畜ー!.......と、おっと。
じゃあ嬢ちゃん、隊長。それにジスの爺ちゃん。
―――また、戦場で」
タッタッタッタッ。
二つに分かれた人の波。
シエラ達から離れていくジェイドは、ロキに悪態を付きつつもハッと思い出したように振り返り言う。
そしてもう彼の象徴とも化した軽い笑みを一層に濃くしてヒラヒラと手を振った。
「行くぞ」
短いロキの言葉。
ロキとジェイド率いる兵達が、早々に馬で駆けていく。
さすがは速い。
数十秒も経たぬ間に、もうほんの豆粒くらいに彼等の姿は小さくなっていた。
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